トップページへ戻る


子育て支援NPOの状況

1)事業所数

  総数 20法人
  内訳 学童保育・学童一時預かり       8法人
      幼児・学童一時預かり          2法人
      障害児童預かり              1法人
      遊び・野外活動・読み聞かせ      4法人
      イベント・交流・子育て支援活動     5法人
   
2)事業の実態
 県内の子育て支援NPOは、殆どが子育てに悩む主婦間の交流と助け合いからスタートして、
イベントや野外活動、遊び、読み聞かせ、児童一時預かりなどの分野に発展しています。幼
児の一時預かりを行っているNPOはありますが、本格的な保育施設を運営しているNPOはあ
りません。学童保育やファミリーサポート(幼児一時預かり)を手掛けているNPOの中で、本
格的な保育事業に興味を示しているところが1〜2ありましたが、保育士の確保や運営責任
面に自信がない、と回答しています。

3)企業内託児施設運営の可否

 子育て支援NPOは、ボランティアの延長でスタートした事業体が主流で、規模は小さく、資
金や人材確保の面でも既存の保育所とは大きな差があります。保育士の確保と組織の整備
に於いても力量不足は免れない現状です。本格的な保育事業に対する興味が意欲に変化し、
実施企業との立地条件や協力体制が得られれば、受皿として成長していく可能性も否定でき
ませんが、現状では、県内に企業内託児施設を運営できる力量を持つ子育て支援NPOはあ
りません。
   
認可外託児所の状況

1)事業所数

  総数  指導監督の対象となる認可外保育施設  69施設
  内訳  ベビーホテル                  35施設
       その他認可外施設               34施設

◇ベビーホテルとは、乳幼児が6人以上で、以下の条件のうちどれか一つでも該当する施設
  △夜8時以降の保育を行っている
  △宿泊を伴う保育を行っている
  △利用児童のうち一時預かりの乳幼児が半数以上である
 
◇その他認可外施設とは、ベビーホテル・事業所内保育施設・店舗等において顧客の乳幼
児を対象にした一時預かり施設・臨時に設置された施設・親族間の預かり合い以外の施設で、
乳幼児が6人以上の施設

2)事業所名簿

認可外保育施設(届出施設)一覧
ベビーはベビーホテル・その他はその他認可外施設

種 別

施設名

所在地

電話番号

その他

()未来学園保育園

前橋市石関町122-6

027-269-1600

ベビー

()グロース前橋ルーム

前橋市下小出町2-38-1

027-236-0468

その他

カナン園

前橋市昭和町3-12-6

027-231-0520

ベビー

託児ルームバンビのお家

前橋市石倉5-9-16榛名ビル1F

027-255-3227

ベビー

キッズルーム

前橋市城東町3-17-14-103

027-235-5202

その他

ゆうどうえんぼく

前橋市天川町1677-1

027-261-1674

ベビー

えんじぇるきっず

前橋市城東町4-6-7

027-231-9734

ベビー

託児ルームゆうび(前橋店)

前橋市千代田町2-7-12

027-237-2444

ベビー

()ウイニングスマイルカンパニー

前橋市南町2-60-1-101

027-243-1519

ベビー

ママ&パパス前橋

前橋市荒牧町281-1-206

027-232-1152

その他

マルエ・キッズワールド前橋江田

前橋市江田町609-1

027-255-0808

ベビー

()グロース高崎芝塚ルーム

高崎市芝塚町1842-13-108

027-328-7844

ベビー

()グロース高崎スズラン託児所

高崎市鞘町10パー500 10

027-324-0808

ベビー

高崎臨時託児所

高崎市上中居町1448-14

027-352-9373

その他

託児園たんぽっぽ

高崎市八千代町2-3-6

027-330-3223

ベビー

みやかわ託児所

高崎市若松町4-2

027-326-4172

ベビー

託児ルームゆうび(高崎店)

高崎市田町119202

027-324-1188

ベビー

CANDYハウス

桐生市広沢町2-3330

0277-52-5507

その他

あづま保育園

伊勢崎市三和町1431

0270-24-7569

ベビー

ベビールームふうせん伊勢崎店

伊勢崎市東本町89-5

0270-22-2242

ベビー

託児ルームおうまのおやこ

伊勢崎市連取町869-1

0270-50-7535

ベビー

内田ベビールーム伊勢崎店

伊勢崎市三光町16-21-102

0270-21-2907

その他

にこにこ保育室

伊勢崎市連取町1669-1-M305

0270-22-5691

その他

カリータス

伊勢崎市連取町2345-3-205

0270-40-5848

その他

伊勢崎あすか幼稚舎

伊勢崎市田中島町465

0270-21-5225

その他

ステップインターナチョナル幼児園

伊勢崎市東本町93-13

0270-23-5235

ベビー

託児ルームゆうび伊勢崎店

伊勢崎市連取町1527-1

0270-22-0030

ベビー

キッズワールド伊勢崎宮子

伊勢崎市宮子町3410-4

0270-30-1181

その他

間野谷区立保育園

伊勢崎市間野谷町530

0270-62-6570

その他

保育所つめくさ

伊勢崎市田部井町862-10

0270-63-1465

ベビー

ベビールームふうせん太田店

太田市飯田町1274

0276-48-1616

その他

ぽぷら保育園

太田市只上町1665

0284-71-9600

ベビー

内田ベビールーム太田店

太田市宝町63-4

0276-32-1328

ベビー

みその幼児園

太田市新井町318

0276-45-1222

ベビー

託児所チャイルドぷーさん

太田市新井町520-10-2F

0276-45-9009

ベビー

にこにこ保育ルーム

太田市高林寿町1809

0276-38-5000

ベビー

ちびっ子ルーム

太田市飯田町965-2

0276-45-9099

ベビー

ロイヤルベビー

太田市新島町636

0276-47-1919

その他

上川田第1保育所

沼田市上川田町2216-1

0278-24-5840

その他

屋形原第2保育所

沼田市屋形原町1225

0278-24-5842

その他

岩本第3保育所

沼田市岩本町432-1

0278-24-8227

その他

富士ナーサリー

館林市栄町8-15

0276-74-4288

ベビー

ぽんぽこらんど

館林市本町2-5-48

0276-72-3335

ベビー

託児室エンジェルハウス24

館林市大手町7-20-12- 303

0276-74-9399

その他

キッズステーション

渋川市金井169

0279-22-6399

その他

子どもの国学園

藤岡市小林411-1

0274-23-8445

その他

Feel託児室

藤岡市中栗須390

0274-24-6068

その他

高瀬幼児園

富岡市下高瀬294-1

0274-62-5858

その他

一ノ宮幼児園

富岡市一ノ宮352-1

0274-62-2504

その他

大泉寺いずみ保育園

安中市安中3-21-44

027-381-4728

その他

ベビー&キッズハウスサカイ

勢多郡富士見村小沢526-21

027-288-9604

ベビー

朝日のあたる家

北群馬郡子持村中郷1944

0279-53-4492

ベビー

ミンク子供の部屋子持保育園

北群馬郡子持村北牧749-1

0279-53-3160

その他

風の子保育園

吾妻郡東村新巻324

0279-30-9030

その他

チビハウス

吾妻郡高山村中山3697-2

0279-63-1456

ベビー

託児所ポッポ

佐波郡玉村町五料954-4

0270-65-7876

ベビー

ドライナース玉村ナーサリー

佐波郡玉村町下新田577

0270-20-4447

その他

インターナショナル・コミュニティ・スクール

佐波郡玉村町上福島744-2

0270-65-8795

その他

リズム幼児園

新田郡尾島町粕川193

0276-52-3759

その他

めだか保育園

新田郡新田町木崎1127-1

0276-56-7510

ベビー

CRECHE SOL NASCENTE

新田郡新田町木崎甲787-1

0276-20-8183

ベビー

託児所ミッキールーム

新田郡新田町市野井3-1

0276-57-1418

その他

たけのこ保育園

新田郡笠懸町阿左美456-3

0277-76-2697

ベビー

Creche Balao Magico

邑楽郡大泉町吉田2356-60

0276-61-2195

その他

CrecheRecantoInfantilParaiso

邑楽郡大泉町西小泉1-6-3

その他

ふたば乳児園

邑楽郡大泉町吉田3293

0276-63-1261

その他

InstitutoEducacionalGenteMiuda

邑楽郡大泉町古永21

0276-20-3679

ベビー

子供の家ゆき

邑楽郡大泉町城之内5-32-7

0276-62-8232

その他

日伯学園

邑楽郡大泉町西小泉1-12-17

0276-62-0665



従業員500人以上の大手企業の状況


1)事業所数
  総数           53社
  内訳 建設業      1社
      製造業     24社
      卸小売業    15社
      金融保険業    4社  
      運輸通信業   1社
      サービス業    8社

2)企業内託児施設設置の可否
 (アンケート・電話取材結果)
 従業員500人以上の県内大手企業を対象に、企業内託児施設の設置による子育て支援推
進の可否を調査しました。内容は、企業は施設を提供し、運営は既存の託児所及び子育て支
援NPOが保育士を派遣して担当、費用は受益者(従業員)が負担、料金は基本的に市町村
立の託児料金と同水準を設定の条件でアンケートを取りました。結果は下記のとおり。

  企業内託児施設の設置を
  @実施したい       0社(0%) 
  A検討してみたい    16社(30・2%)
  B時期尚早である   27社(50・9%)
  C未回答・その他    10社(18・9%)

  主なご意見及び問題点
  ◇託児施設を設置するには、条件・環境を整備するのが先決。
  ◇人事部サイドでは結論は出せない。
  ◇社内から要望はあるが、時期尚早と考えている。
  ◇他県の事業所で実施しているので研究してみる。
  ◇事業所が分散しているので実施が難しい。
  ◇共働き男性社員をバックアップする目的で検討の課題。
  ◇実施するなら女子社員より男性社員。
  ◇パートへの波及が問題。結論は出せない(時期尚早)。

3)アンケート・取材にご協力頂いた事業所(順不同)
  佐田建設・新進・サンヨー食品・エイティバッテリー・カネコ種苗・富士スバル・群馬日産自
  動車・群馬トヨペット・スズラン・フレッセイ・登利平・ヤマダ電機・群馬銀行・東和銀行・富
  士通ターミナルシステムズ・ジーシーシー・東朋産業・ケービックス・マックス・エヌエスケー
  トリントン・沖電気工業・太陽誘電・三益半導体工業・ルネサス東日本セミコンダクター・関
  東いすゞ自動車・群馬トヨタ自動車・カインズ・セキチュー・高崎信用金庫・関東西濃運輸・
  小倉クラッチ・ミツバ・山田製作所・平和・三共・桐生信用金庫・両毛システムズ・東洋ポリ
  ーズ・サンデン・ユニシアジェックス・ベイシア・プリオパレス・富士重工業・しげる工業・坂本
  工業・東亜工業・NECパーソナルプロダクツ・フジタコーポレーション・シムックス・澤藤電
  機・三洋電機・味の素冷凍食品・とりせん

今後の課題

1)企業側の課題
 アンケート(及び電話取材)の結果は、「実施したい」がゼロであったが、「検討してみたい」
が30・2%あり、関心の深さは窺われる。「時期尚早である」が50・9%で多数を占めるが、時
期尚早の理由として「社内コンセンサスが得られていない」など、主として社内事情が、「不
況下に余分なことはしたくな雰囲気がある」ことが大きいようだ。
 その一方で、若手中堅従業員のサポートによって定着率と社内の活性化に結びつくメリット
は肯定しており、大半の企業は、検討する必要性までは否定していない。従って「時期尚早
である」も、「検討してみたい」と、意識の上でそれほど大きな開きはないように感じられた。
 法の施行は4月からであり、労働局や市町村の取組(啓蒙活動)が始まったばかりである
ことから、当面は、行政当局に対する回答(実施計画)を優先しなくてはならない事情もある
ようだ。言うなれば企業側は、世間の様子を見ながら流れに乗る姿勢であって、大勢は事業
所内託児施設設置の必要性を全面的に否定するものではない。
 ここ数年、過度なリストラによって企業や社会の活力低下が懸念されている中で、若手中
堅従業員や女性の活力を活かすことは、企業の将来にとって戦略的な意味を持ちます。質
の高い労働力を安定的に確保し、従業員の生活向上と社内を活性化するためにも、他社に
先駆けて事業所内託児施設を設置することが、企業イメージを高め、将来の成長に繋がるの
ではないかと思います。

2)受皿側の課題  
 子育て支援を主力事業として、もしくは従事業として営んでいるNPO法人20事業所に対し
て、直接訪問と電話による聞き取り取材を行いました。その結果、乳幼児保育を手掛けてい
る事業所はありませんでした。
 「子育て支援NPOの状況」蘭で示したとおり、乳幼児・児童一時預かりを手掛けているNP
Oは、俗に言うファミリーサポート事業が主で、会員間の一時外出などの場合に一時預かり
するものですから、保育事業とはかけ離れています。学童保育を手掛けているNPOは、共
働き家庭の小学校低学年児童の放課後の居場所・遊び場を提供しているもので、これも保
育所とは趣を異にしています。学童保育を手掛けているNPOに、乳幼児を含む本格的な保
育事業に興味を示した事業所がありましたが、資金や人材確保の面で責任或る体制作りと
運営に力不足を示しており、意欲的なNPOはありませんでした。その他のNPOは、遊び・野
外活動・読み聞かせ・イベントなどの企画活動と、子育て中の母親同士の交流と情報交換を
主に行っているものです。
 乳幼児保育を手掛けるNPO保育所を育成支援するという当初目的に対しては、現状は困
難な状況でありますから、事業所内託児施設の運営は、既存の認可外保育所を利用してこれ
をバックアップして行く方向がベターではないかと思います。NPOの育成は長期的な課題とし
て、先ず事業所側を啓蒙して設置希望事業所を確保し、このマッチング課程で、意欲的な既
存の保育所を受皿として育成して行く方向が現実的な選択であろうかと思います。

3)行政側の課題
 市町村(今回は該当企業が所在する市部のみ訪問)の担当者からは、中小企業等に勤務
している人が利用する保育所は行政が責任を持ち、大手企業に勤務している人は企業内託
児所が受け持つ形で棲み分けることができれば理想である、との声が聞かれた。市町村で
は、「待機は殆どない」を建前としているが、現実は、「わがまま待機(立地条件が合わないた
め待機している人)」や「あきらめ」で離職を選択している(就職の機会を先送りしている)人が
多いのではないかと推測しています。建前としては「待機ゼロに近い」であっても、現実は「利
便性の高い保育所があれば利用したい」という潜在的欲求は高い、との声も聞かれました。
 三位一体の改革と経済不況で市町村財政が悪化している実情から、公立保育所を新設・増
強することは困難な状況と見られます。一方で、少子高齢化対策と労働資源活用の観点から、
働く女性を労働市場から追い出さないと同時に、子供を産み、育ててもらう二律背反の政策
が求められています。次世代育成支援対策推進法は、既存の法律(育児・介護休業法)を強
化する目的で制定されたものと思われます。この二律背反を企業の義務と協力によって両立
させていこうとする法律でしょうが、ただ単に企業を啓蒙し、育児休業取得率を上げようと思っ
ても、環境が変わらなければ大きな成果は得られない(実態に変化はない)でしょう。
 行政側としては、先ず育児環境を変える。それには、既存の育児・介護休業法の啓蒙強化
は当然のこととして、これとは別途に、休業を採らなくても育児がしやすい環境を作り出す「企
業内託児施設の設置」の推進を図る必要性があろうかと思います。これが出生率の向上にと
どまらず、勤労者世帯所得の増加に結びつき、回り回って域内経済の活性化にも繋がるので
はないかと思われます。



参 考 資 料
(毎日新聞 1月9日〜24日連載・未来が見えますか第1部少子化の風景・より転載)
 
 子どもが減り、老人が増え、日本の人口は06年をピークに減り始めるとみられている。人口
増加が基調だった明治以降では初めての経験だ。どんな未来が待ち受けているのだろうか。
人口の停滞という点でよく似ている江戸時代後期やルネサンス期のイタリアのように、華や
かな文化の時代の幕が開くという見方もある。未来を読み解く手始めとして、子どもが生まれ
にくい日本社会の現実を見る。 「未来が見えますか取材班」

 
未来が見えますか 第一部・少子化の背景@
    
    
子どもは大切 でも自分も大切にしたい
       ためらう「2人目」 再就職と保育園に壁

厳しい現実
 
猛暑が続いていた昨年8月。8ヶ月の息子を義母に頼んで東京都内の自宅を出た山口淳
子さん(33)は都心のオフィスビルにある外資系企業の本社に向かった。以前勤めていた会
社の上司が紹介してくれた再就職口。スーツに身を包み、山口さんは30代後半の女性面接
官と向かい合った。面接官がたずねた。「私は結婚していないし、子どももいません。もしいた
ら、責任ある仕事ができるとは思えないので働くつもりはありません。あなたはどうお考えで
すか?」。
 先制パンチだった。「女性でも仕事を持っている方が、子どもに良い影響を与えられると思
います」。必死に言葉を選んだ。同時に「最初から採用する気がないのかな」と感じた。面接の
あと、職場復帰を応援する会社員の夫と昼食を取ったが会話は弾まなかった。結果は不採用。
「女性同士ならではの壁。でも私だって、出産前は『子どもが熱を出したから休むなんて優遇
されている』と思っていた」。
 結婚9年目、31歳で妊娠した。当時勤務していた会社ではリストラの嵐が吹き荒れていた。
「育児休業を取ったら会社にはいられないだろう。子供を産んで、落ち着いたらまた働けばい
い」と思い、妊娠中に会社を辞めた。「外資系なら小さな子がいても、働くうえで障害はないだ
ろう」と転職に備え、出産前まで経理学校にも通った。でも、現実は厳しかった。
 壁は再就職だけではなかった。保育園を探そうと区役所に問い合わせると「お母さんが働い
ていることが原則ですよ。仕事はない、内定もないではねぇ・・」と言われた。「子どもを保育園
に入れなければ働けない」。職場と保育園から閉ざされる二重苦を、山口さんは痛感した。「母
親にとって子どもはかけがえのない存在。それでも、息子だけが生きがいの人生は送りたくな
いし、それは息子にとっても重荷になるはず」という山口さんは、自分の人生も、息子の人生
も犠牲にしたくない。ただ、その解決策が見つからない。そして、「息子のためにもう1人産まな
ければ」という義務感と、「2人産んだら仕事は無理かも」という焦燥感が、日々、胸中を交錯す
る。

生活が一変
 都内在住の大柴美子さん(29)。毎週土曜日に子どもが通っているスイミング教室で、3歳の
1人娘は親と離れたとたん、大泣きしながら「バイバイ」と手を振る。物心がついてきた娘を見
ると兄弟がいた方がいいと思うが、今すぐ産む気にもなれない。娘を習い事に通わせる費用
に充てるためパートをしながら、「一気に子育てを終えて10年後に楽になるか、年齢を離して
育児をやり直してずっと母親をやっているか」と迷ってしまう。
 出産後、子ども中心の生活になり、自分自身のことに目が向かなくなった。子育て支援サー
クルに出かけてストレスをためないようにしている。でも「温泉に行ってスノーボードをすると
か、六本木に遊びに行くとかが遠いことに思える」。近くのスーパーでミルクやオムツの新製
品を探すのが楽しみになった自分に驚く。夫が夜勤明けの土曜日は、うるさくないようにと、
娘を連れて行き場を探す。今は毎週土曜日、子連れの母親が集まるカフェで過ごす。「同じ年
頃の子どもがいるお母さんと話し合えて安心できる。こういう場所があれば、2人目もいいかな
と思うのだけれど」

社会に居場所が欲しい  
 派遣会社の登録会で担当者がいぶかしげに聞いた。「こういう仕事なら紹介できますが、そ
れでいいのですか」。あわてて「本当に何でもいいです」と答えた。
 会社員、三宅智子さん(33)が東京都内の出版社を結婚退職したのは99年2月。その年の6
月に娘を出産し、専業主婦として子育てを始め、半年がたっていた。週刊誌編集者だった三
宅さんのキャリアに「合う仕事がない」というのが派遣会社側の判断だったが、どうしても「外」
に出たかった。仕事は00年1月から3ヶ月の短期契約の編集補助。時給制で月収は13万円前
後。0歳児の娘を保育園に預けると保育料などで7万〜8万円が消え、雑費を含めるとほとんど
がなくなる。でも「お金の問題ではなかった。社会の中に自分の居場所が欲しかった」。
 子供が生れて3、4カ月は、夜泣きや授乳で夜も眠れなかった。疲労で、近所のスーパーに
買い物に行く気力もない。そのころから、「自分のためには何もやっていない」という気持ちが
拡がり始めた。だんだん日が短くなっていく秋。子どもと2人で朝からマンションの中にいると、
夕方、暗くなるのがとても早く感じられた。
 子どものいる友人も育児休業後に職場復帰した人ばかりで、専業主婦はいなかった。「復帰
後が心配」というが、「復帰できる場所があるじゃない。私にはない」としか思えない。「育児休
業中の人は、駅のホームで一休みしているだけ。いつかは、やってきた各駅停車でも特急で
も乗っていける。でも、私は駅から線路脇に放り出され、走っていく列車を見ているだけで、ひ
とりぼっち」。子どもは大きくなっていくが、自分の成長は止まったままで、「自分が『何もない
人』になってしまう」と焦った。
 短期契約の仕事を終えた後、01年4月にようやく今の出版社で職を得た。家庭以外の「居場
所」としての仕事だから、仕事がすべてとは考えていない。ただ正社員の職は手放せない。
「退職すれば社会の中の居場所を取り戻すのが大変だから」。専業主婦で子育てをしなくて
はいけないなら2人目は考えられない。

                    ◇◆  ◇◆  ◇◆
 国立社会保障・人口問題研究所の出生動向基本調査では、40代前半の既婚女性の子ども
の数はこの30年間2・2人でほとんど変わっていない。だが90年以降、もっとも子どもを産む年
代である20代後半から30代前半の既婚女性に大きな変化が起きている。
 子どもの数は、87年には20代後半で1・3人、30代前半で2人。20代で子どもを1人、30代で
2人目というのが平均的だった。しかし、02年には30代前半の子ども数は1・5人に急減し、一
方で20代後半は1人で下げ止まっている。30代前半の女性が2人目を産まなくなっている。
 
                    ◇◆  ◇◆  ◇◆
 東京都港区で子育て支援施設「あい・ぽーと」を運営するNPO法人の代表を務める大日向
雅美・恵泉女学院大学教授(心理学)は、「2人目を産めない理由の一つは、社会につながっ
ていない閉塞感と疎外感。子育てに専念してしまうと、社会から取り残されるという感覚は、
経験してみなければ分からない。産み損のような損失感を軽減するには、母親に社会への
風穴を開ける必要がある」と話す。

 
 未来が見えますか 第一部・少子化の背景A
      
     
産んだら取り残される
        「両立実現」・・実体ほど遠く


リストラ対象に
 「マザーズ・ランチ・クラブ」。三樹由貴子さん(36)が03年1月まで勤めていた東京都内の電
子機器メーカー本社で、子供を持ちながら働く母親が月に一度、昼食を楽しむ会を、そう呼ん
でいた。でも、メンバーだった10人のうち、8人が今は会社にいない。
 三樹さんは99年4月に長女を出産。01年5月まで育児休業を取り、職場に復帰したら、担当
を輸出事務から国内営業に変えられていた。「前のように輸出事務をやりたい」と訴え